ケアマネージャー用語集【さ行】

サービス提供責任者

要介護者・要支援者とその家族、介護支援専門員、利用者のサービス提供に関連する指定居宅サービス事業所の担当者から構成される。介護支援専門員によって課題分析された結果をもとに、要介護者と家族に提供されるサービス計画を協議し、本人の了承を経てサービス提供につなげる。また、認定期間中であってもサービス担当者が介護サービス計画の見直しが必要と考えた場合には、担当者会議が要請され適宜開かれる。居宅サービス計画の策定に当たって介護支援専門員が開催する会議のこと。ケアプランは、要介護者やその家族・各サービス担当者・ケアマネジャー(介護支援専門員)により行われる、サービス担当者会議で内容が検討される。ケアマネジャーは、会議をスムーズに進めるため、根拠のしっかりしたアセスメントとケア検討の方向性・ケアプランの具体案を準備します。また、開催前のメンバーへの連絡・調整、カンファレンスの司会・調整、利用者への説明や開催後の記録などもケアマネジャーの役割となる。

サービス提供票

介護支援専門員(ケアマネジャー)が作成し、毎月、サービス提供事業者に送付する書類です。

サービス利用票

介護支援専門員(ケアマネジャー)が、利用者に毎月送付する書類のこと。サービスの計画と実績を記入します。サービス利用の予定と実績管理に役立てられます

在宅医療

従来の施設中心の医療システムでは、在院日数や医療費の増大等の要因により十分な対応ができなくなったことにより、在宅での療養を支援する機能や在宅医療の充実が求められている。医療だけではなく、保健・医療・福祉の総合的・効率的なサービスの提供が重要となる。慢性疾患患者や寝たきりなどの要介護者の自宅療養に際して、病気や障害の影響を最小限にとどめるために提供される医療システムをいう。

在宅介護支援センター

住民に最も身近な総合的相談窓口。保健・医療の専門職と福祉の専門職が配置され、福祉用具の紹介やケアサービスの申請代行も行っている。介護保険制度下では、ほとんどのセンターが居宅介護支援事業者の指定を受け、これらの業務を併せ持つこととなる。また、市町村には1ヶ所、基幹型支援センターを配置し、管内の各センターの統括などを行う。法律用語では、老人介護支援センターとして規定される。また、中学校区を標準とした地域を担当する地域型支援センターがあり、地域内高齢者の実態把握、サービス基本台帳の整備、介護予防サービスの利用支援、在宅介護の方法等の指導・助言、福祉用具の展示・紹介、相談・助言、等を行う。基幹型支援センターは地域ケア会議を開催するとともに、地域型支援センターを支援する。老人福祉法にもとづく老人福祉施設の一種。

在宅看護

自宅で治療・療養を必要とする人を、心身ともにケアしながら支えていくことです。家族での介護だけでなく、訪問医療や訪問看護を受けることが必要です

作業療法士

作業療法を専門技術とすることを認められた者に付与される名称。理学療法士および作業療法士法により資格、業務等が定められている。同法によれば、作業療法士とは、「厚生労働大臣の免許を受けて、作業療法士の名称を用いて、医師の指示の下に、作業療法を行うことを業とする者」とされ、作業療法とは、身体または精神に障害のある者に対し、主としてその応用的動作機能力または社会的適応能力の回復を図るため、手芸、工作その他の作業を行わせることをいうと定義されている。理学療法士および作業療法士法に定められた国家試験に合格し免許を受ける。

サテライトケア

住みなれた地域で高齢者や障害者を支援するひとつの方法です。特別養護老人ホームが中心となり、小規模の施設(サテライト)をいくつか設け、介護サービスを提供しています。

残存能力

残存感覚機能として、味覚、触覚、視覚、臭覚、聴覚、痛覚、運動感覚、圧覚、温度感覚、内部感覚、平衡感覚等の感覚のどれかに障害があった場合に残りの感覚のもつ機能のことで、視覚に障害があれば、聴覚、触覚、平衡感覚などその他の残存感覚を用いて代償し、自分の置かれた状況を把握して対処するようになる。障害をもっている者が残された機能を用いて発揮することができる能力をいう。残存能力は可能性としての能力であるため、本人の意志により発揮されなくなることもある。援助を行ったり自助具等を導入する際には、残存能力を損なわないように十分に注意することが重要。

作業療法

リハビリテーションのひとつの方法です。身体や精神に障害のある人が身体能力や社会適応能力の回復、精神機能の改善を目指し、手芸やゲーム、工作などの作業を行うことをいいます

在宅酸素療法

慢性呼吸不全患者は酸素吸入を必要とするために入院を必要としていたが、患者を病院から解放し、家族との生活を可能にすることや、QOLを改善し社会復帰を可能とする目的で高圧酸素ボンベや酸素濃縮器の使用により、在宅でも酸素療法が継続できるようになった。動脈血酸素圧が著しく低下するため医師が必要と認めたものに対して行われ、健康保険の適用を受ける。酸素供給器としては、酸素濃縮器、酸素発生器、酸素ボンベなどがある。実施に際しては、本人あるいは介助者がその取り扱いに習熟するだけでなく、救急時の対応を援助するためのネットワークが欠かせない。肺繊維症、慢性気管支炎、肺気腫などの慢性呼吸器疾患あるいは難病などにより慢性呼吸不全状態にある患者が在宅で行う酸素吸入治療法

施設介護サービス計画

施設サービス計画表に記載すべき事項として、要介護者の氏名、認定日、サービス計画作成日、生年月日、要介護状態区分、要介護者等と家族の希望、担当者会議などの基本情報はもとより、要介護者等の抱える健康上、生活上のニーズと解決すべき課題、医学的管理の内容と留意点、サービスの目標や達成時期、具体的なサービス内容とスケジュール、要介護者等と 家族の承諾、担当介護支援専門員の特定があげられる。介護保険施設にあっても、要介護状態改善のための努力や在宅での生活を念頭においた支援が求められてくる。介護保険制度において、介護老人福祉施設、介護 老人保健施設、介護療養型医療施設の3施設で介護支援専門員が個別に作成し、チームでケアに当たるための介護サービス計画。

施設サービス

特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)、介護老人保健施設、介護療養型医療施設の3つの施設に入所して受けられる介護・相談援助サービスです。要介護認定者が対象です。

市町村特別給付

要介護の被保険者や在宅要支援被保険者に、介護保険のサービスとは別に、市町村が条例で定める独自の給付のことで介護給付と予防給付に対して横だしサービスといわれる。例えば、配食サービス、寝具乾燥サービスなどがある。介護保険制度において、介護 給付と予防給付のほかに、要介護状態の軽減若しくは悪化の防止または要介護状態になることを予防するために、市町村が条例で定める独自の保健給付をいう。

指定介護療養型医療施設

指定介護療養型医療施設は、療養病床、老人性痴呆疾患療養病棟を有する病院・診療所であって、開設者が指定を申請するもについて、介護支援専門員等のサービス従業者の人員、設備・運営に関する基準を満たす場合に都道府県知事が指定を行う。ただし、都道府県介護保険事業計画に定めたその区域の必要入所定員総数を超えるときには指定をしないことができる。指定介護療養型医療施設で提供されるサービスを指定介護療養施設サービスという。都道府県知事が指定する介護療養型医療施設。

指定介護老人福祉施設

介護保険の施設サービスを提供する3施設のうちのひとつで、老人福祉法にもとづき設置されている特別養護老人ホームであって、入所している要介護者に対して、施設サービス計画にもとづいて、入浴・排泄・食事等の介護その他の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理、療養上の世話を行うことを目的とする施設を介護老人福祉施設といい、都道府県知事の指定を受けた介護老人福祉施設を指定介護老人福祉施設という。開設者が指定を申請するものについて、介護支援専門員等のサービス従業者の人員、設備および運営に関する基準を満たす場合に、都道府県知事が指定を行う。指定介護老人福祉施設によって提供されるサービスを指定介護福祉施設サービスという。介護保険法による介護保険施設の一種。

指定居宅介護支援事業者

要介護者が福祉サービスをスムーズに利用できるように介護支援専門員(ケアマネジャー)がケアプランをたて、サービス事業者と連絡・調整などを行なう事業者のことです。都道府県知事の指定を受け在宅介護支援事業を提供します

指定居宅サービス事業者

在宅サービスを提供する事業者です。サービスの種類ごとに人員や設備、運営に関する基準が設けられ、基準を満たすと都道府県知事の指定が受けられます。主に訪問介護事業所・通所介護事業所があります。

指定通所リハビリテーション

指定居宅サービス事業者が行なう日帰りの支援サービスです。要介護者が心身の機能の維持回復をはかるために、病院や介護老人保健施設などに通い、理学療法や作業療法などを受けることができます。

指定特定施設入所者生活介護

都道府県知事の指定を受けた有料老人ホームや、軽費老人ホームなどで、可能な限り自立した生活が送れるように支援する介護保険サービスのことです。上乗せ介護料を加算することも可能です。

指定訪問介護

訪問介護員などが利用者の自宅を訪問し、日常生活を快適に送れるように世話をしたり手助けすることです。指定居宅サービス事業者がサービスを提供します

指定訪問看護

主治医の指示のもと、病院・診療所や訪問看護ステーションの看護師などが、利用者の自宅を訪問して医学的なサポートを行なうことです。指定居宅サービス事業者がサービスを提供します。

指定訪問看護ステーション

病院や診療所以外で訪問看護を提供する事業所のことです。都道府県知事の指定が必要です。自宅での生活がよりよく送れるように支援したり、看護を行ないます。

指定訪問入浴介護

入浴設備のある入浴車で要介護者などの自宅を訪問し、入浴介助を行ないます。指定居宅サービス事業者が提供します。

社会福祉法人

社会福祉事業法に定められている社会福祉事業を行うことを目的として設立された法人をいう。民間社会福祉事業の公共性と純粋性を確立するために、公益法人とは違った組織の特別法人を創設しようとするもの。社会福祉法人は公益事業および収益事業を行うことができる。①社会福祉法人以外の者は名称中に「社会福祉法人」またはこれに紛らわしい文字を用いてはならないこと、②自主的にその経営基盤の強化を図るとともに、その提供するサービスの質の向上および事業経営の透明性の確保を図らなければならないこと、③社会福祉事業を行うに必要な資産を備えなければならないこと、④社会福祉事業の他に公共事業または収益事業を行うこともできるが、特別の会計として経理すること、⑤役員の欠格事由が厳格であること、⑥国または地方公共団体による助成および監督があること、⑦ 税制上の優遇措置がとられていること、等の特徴がある。

住宅改修費

在宅の要介護者が自宅で生活しやすいよう住宅を改修する場合に支給される費用です。要介護・要支援の区分にかかわらず、上限20万円まで支給。利用者は1割を負担します。

主治医意見書

介護保険の要介護度の認定・要支援認定を判断する二次判定の際に、主治医が書く意見書のことです。

ショートステイ

在宅の要介護・要支援者が老人短期入所施設や、特別養護老人ホームなどの福祉施設に一時的に入所し受けるサービスのことです。短期入所生活介護や短期入所療養介護があります。利用には、介護支援専門員(ケアマネジャー)が作成するケアプランに位置づけが必要です。

褥瘡(じょくそう)

床ずれのこと。寝たままで同じ姿勢をつづけた場合に、身体の一部が圧迫され血液の流れが低下して起こります。あおむけの状態では後頭部や肩甲骨、尾てい骨の上部を指します。横向けでは耳、肩、ひじなどができやすい箇所をいいます

自立支援

福祉サービスの基本理念として「福祉サービスは、個人の尊厳の保持を旨とし、その内容は、福祉サービスの利用者が心身ともに健やかに育成され、又はその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように支援するものとして、良質かつ適切なものでなければならない」という規定が盛り込まれている。社会福祉サービス全体の考え方として自立支援、自己実現、自己管理等の尊重を行おうというもので、あくまでも利用者の主体性を重んじつつ、サービス提供者はその自立支援の側にまわるということである。

シルバーハウジング

高齢者が快適で安心できる生活を送れるように設備や構造、運営面で配慮された公的賃貸住宅です。入居対象は、60歳以上の単身者・夫婦です

申請代行

市町村に申請する介護保険の事務手続きを、介護支援専門員(ケアマネジャー)が代行することをいいます

身体介護

入浴、排泄、着替えなど、直接要介護者の身体にふれて行なう介護のことです。訪問介護など、事業者が提供する介護援助サービスもあります

身体拘束

病院や施設で、利用者の身体を緊急に守らなければならないときに、一時的にベッドに拘束することです。介護保険事業者には、身体拘束禁止ケアの手引きがあります。身体拘束を行なうには、家族の承諾や、カルテ開示などの取り決めがあります。

失行

運動機能に問題はなく行動する意思も十分あるものの、日常生活の動作や意思通りの行動がうまくできないことを指します。

失語症

脳の損傷によって、言語機能が障害を受けた状態をいいます。ブローカ失語、ウェルニッケ失語、健忘失語があります。

失認

精神や末梢神経、感覚器に障害がないにも関わらず、物や音、重さ、形を認識できない状態を指します。

腎不全

急激に広範囲な腎組織の破壊を起こした急性腎不全の多くは、治療できる。慢性腎不全の予後は悪い。原因は急性では抗生物質、重金属等による中毒性の腎細胞破壊や心筋梗塞、また出血等からくる腎の虚血があげられる。慢性腎不全の場合は、糖尿病や高血圧症からくる血管に病変や感染の再発等がある。食事療法、透析療法、腎移植等の治療法がある。腎不全のため、水と電解質のバランスの異常、老廃物の蓄積、アシドーシス等が現れている状態を尿毒症という。腎臓の機能が極度に低下し、老廃物を排出し水分および電解質の平衡を維持することができない状態をいう。

身体障害者福祉司

所長の命を受けて、身体障害者に関する相談、指導のうち専門的知識・技術を必要とするもの、市町村の援護の実施に関する市町村間の連絡調整、市町村等に対する情報提供等、を行う。また、市町村の設置する福祉事務所には任意で置くことができ、所長の命を受けて、身体障害者の相談、更生援護の要否、種類の判断、指導等のうち専門知識、技術を必要とするもの、福祉事務所員に対する技術的指導、を行うこととられている。身体障害者福祉法のもとづき、身体障害者更生相談所に置かれる身体障害者の福祉に関する事務をつかさどる職員。

身体障害者手帳

身体障害者福祉法にもとづいて交付される。補装具、更生医療の給付、施設への入所等身体障害者福祉法上の各種の援助を受ける場合や税の減税、鉄道運賃の割引等各種の制度を利用するための、いわば身体障害者であることの証票。手帳交付の手続きは都道府県知事の指定する医師の診断書を添付して交付申請書を都道府県知事に提出する。手帳は18歳未満の児童にも交付される。対象となる障害は、音声機能・言語機能またはそしゃく機能の障害。内部機能障害(心臓、じん臓、呼吸器、ぼうこう、直腸、小腸またはヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能障害で、永続し、かつ、日常生活が著しい制限を受ける程度であると認められるもの)、視覚障害、肢体不自由、聴覚または平衡機能の障害、で障害の程度により1級から6級の等級が記載される。

心不全

心不全とは、あらゆる心臓疾患の末期症状である。心臓のポンプ機能が 低下し、全身の臓器組織に必要な血液を循環できなくなった状態。「うっ血性心不全 ・・・ 心不全により、肺循環系にうっ血を生じたものを左心不全、体循環系にうっ血を生じたものを右心不全という。左心不全の症状には呼吸困難、起座呼吸、心臓喘息発作、乏尿等が、右心不全の症状には浮腫、腹水等がみられる。局所の静脈や毛細血管内に静脈血が増加している状態をうっ血という」「心拍 ・・・ 心拍数は成人で60~80回/分であるが、一般に子どもは多く、高齢者は少ない。心拍のリズムや数は、健康状態の指標になる」

心臓弁膜症

先天性弁膜症と他疾患に合併する後天性弁膜症に大別される。後天性弁膜症の原因としては、リウマチ熱、梅毒、細菌性心内膜炎、動脈硬化症などがあり、リウマチ熱や梅毒によるものは急速に減少している。リウマチ熱による僧帽狭窄症、梅毒による大動脈弁閉鎖不全症が代表的心臓弁膜症であるが、最近は動脈硬化性心臓弁膜症が多く、時には、起立性低血圧や不整脈による失神で発症することもある。虚血性心疾患とともに、うっ血性心不全の原因疾患として重要である。先天性疾患の一つ。人の心臓は内部が4つの部屋(心房・心室)に分かれている。各部屋の出口には膜でできた弁があり、血液の逆流を防いでいる。この弁が何らかの原因によって硬化もしくは破損すると、血液の通過障害や逆流が起きる。これが心臓弁膜症である。

心身障害者

平成5年に心身障害者対基本法が障害者基本法に改められたことに伴い、心身障害者という表現は使用せず単に障害者とする方向にある。身体または精神に相当程度の障害をもつ者の総称。心身障害者対策基本法第2条では、肢体不自由、視覚障害、聴覚障害、平衡機能障害、音声機能障害若しくは言語機能障害、心臓機能障害、呼吸器機能障害等の固定的臓器機能障害または知的障害等の精神的欠陥があるため、長期にわたり日常生活または社会生活に相当な制限を受ける者をいう、と定義されていた。

神経痛

坐骨神経痛、三又神経痛、肋間神経痛が代表的なものである。特発生、すなわち原因不明のものでは、痛みは反復するものの、その持続時間は短く、他覚的所見が乏しいため、痛みの範囲や程度は本人の訴えにより把握するほかない。症候性の場合、その原因として骨病変、帯状疱疹、腫瘍、代謝障害などが背景にあり、疼痛は持続することが多い。特定の抹消知覚神経の走向に沿って激痛発作が起こる疼痛症候群のこと。痛みが生じたそれぞれの神経の名称で呼ばれる。原因はさまざまであり、原因不明のもの、ウイルス感染によるもの、外傷 によるもの、または神経障害をきたす疾患に随伴するものがある。

シルバーサービスガイドライン

在宅介護、在宅入浴、在宅配食、福祉用具賃貸(販売)、日帰り介護(デイサービス)、短期入所生活介護(ショートステイ)の各サービスについてガイドラインが定められている。シルバーサービスを行う民間事業者が最低限満たすべき基準。

スロープ

階段のような段差ではなく、なだらかな勾配があり、車いすで利用可能な通路のことです。バリアフリー対策のひとつとして、さまざまな施設や建物で広がっていますストマとも呼ばれます。人工肛門、人工膀胱の排泄口の呼び名です。神経がなく痛みを感じないので、使用者は傷つかないように取扱いに注意する必要があります。利用者の運動能力で買い物や洗濯、電話、薬の管理等、ADLよりも高い能力が必要とする複雑な動作のこと。職業や性別を考慮し、身体活動能力や障害の程度をはかり評価する尺度のひとつとなっており、要介護認定調査の項目にもいくつかはいっています。

睡眠障害

不眠症や、いびき、歯ぎしり、頻尿、寝言のほか、睡眠時無呼吸症候群、睡眠時遊行症などの種類があります。睡眠の量やリズムに障害のある状態を指します。

ストーマ

ストマとも呼ばれます。人工肛門、人工膀胱の排泄口の呼び名です。神経がなく痛みを感じないので、使用者は傷つかないように取扱いに注意する必要があります。

ストレッチャー

寝かせた状態で移動できる車付きベッドのことです。高さ、背上げ調節・折りたたみ調節を備えたタイプや、点滴器具・酸素ボンベなどの医療機器を備えられるものなどがあります座位保持の可能な場合は、オーバーテーブルを利用して両手を洗ったり、することができます。

スタビライザー

リハビリテーション分野で特に頻回に用いられるものに、起立歩行障害児(者)の立位安定装置がある。これは、底面積の広い硬板に骨盤帯つき長下肢装具を固定したもので、立位における平衡機能を促進(助長)するために用いる。安定装置。一般的に用いられている言葉で、専門用語ではなく、したがって随所で使用されている。一般的に、スタピライザーは、船、飛行機、車、自転車、などの乗り物に取り付けられ、操縦時の不規則なゆれや転倒、転覆を防ぐために取り付けられるもの。また、車ではアンチロールバーとも言われ、車体のロールを防ぐためのサスペンション形式。構造は左右のサスペンションを細長いバーで連結し、左右のサスペンションの沈み込みに差異が生じた時にだけ、連結したバーに捻り抵抗が発生し、その復元力により車体の傾きを防ぐ様になっている。

手浴

ベッド上で寝具を濡らさない工夫をして身体の前部に湯の容器を置いて洗う。座位保持が不可能な場合は、横向きになって片手ずつ洗う。つめ切りは、手浴の後の行うこと。部分浴の一種で、ぬるめの湯に手を入れて暖めた後、石鹸(洗剤)で洗い、次に湯の温度を少し高くして温める。タオルで水分をふき取り、ベビーオイルやハンドクリームで肌を整える。手浴は、疾病や障害によってセルフケアが困難になり、床上安静を余儀なくされている患者に清潔ケアとして実施され、経験的には爽快感の得られる看護術の一つに位置づけられている。また、手首まで浸かる洗面器やボウルに、熱めのお湯(入浴時よりやや高めの温度)を注ぎ、精油を1~3滴落としてよくかき混ぜ、手を10分位浸す。足浴のように手の自由がないので、精油の香りを楽しみながら、手の平のツボを刺激したりする方法もある。慢性的な肩こり・頭痛持ちの者、緊張しやすい性格の者などにも有効な手段である

生活相談員

社会福祉主事任用資格と同等以上の能力があり、適切な相談、援助等を行う能力を有すると認められる者とされている。特別養護老人ホーム、指定介護老人福祉施設、通所介護事業所などに配置され、利用者の相談、援助等を行う者をいう。具体的な職務として、利用者一人ひとりが、デイサービスを安心して利用できるよう、利用者を取り巻く環境を調整する、利用者や家族からの相談の対応やデイサービスの受入準備、契約書の取り交し、個々の利用者の通所介護計画の作成やその評価など、企画者としての役割がある。また、デイサービスセンターの施設長として、職員の労務管理や請求業務、現金回収業務なども行う。

生活保護制度

生存権保障を規定した憲法25条の理念にもとづき、国が生活に困窮するすべての国民に対して、その困窮の程度に応じ必要な保護を行い、その最低限の生活を保障するとともに、自立助長することを目的とした施策。生活保護基準がナショナル・ミニマムを担うという役割を果たしてきた。生活保護基準の決定は厚生労働大臣に委ねられているが、要保護者の年齢別、性別、世帯構成別、所在地域別その他保護の種類に応じて必要な事情を考慮し、最低限度の生活需要に対して過不足ないものでなければならないことが規定されている。生活保護法にもとづく。

清拭(せいしき)

温かく濡れたタオルなどで身体を拭き、清潔さを保つことです。入浴できない人のために行ないます。さっぱり感や気分転換につながるとともに、血行を促進し床ずれ防止にも役立ちます。

精神保健福祉士

精神保健福祉法にもとづく精神病院、社会復帰施設等に入院等している精神障害者に対して、社会復帰に関する相談援助および日常生活訓練を行い、社会復帰を促進させる有資格者。国家資格である。精神保健福祉士となるには、指定試験機関財団法人社会福祉振興・試験センターが実施する精神保健福祉士試験に合格し、精神保健福祉士登録簿に所定の事項の登録を受けなければならない。

精神保健福祉士

復帰施設等に入院等している精神障害者に対して、社会復帰に関する相談援助および日常生活訓練を行い、社会復帰を促進させる有資格者。国家資格である。精神保健福祉士となるには、指定試験機関財団法人社会福祉振興・試験センターが実施する精神保健福祉士試験に合格し、精神保健福祉士登録簿に所定の事項の登録を受けなければならない。

精神保健福祉センター

都道府県および指定都市が設置する機関で、精神保健および精神障害者の福祉に関する相談および指導のうち複雑または困難なものを行うこと、精神医療審査会の事務を行うこと、精神保健および精神障害者の福祉に関する知識の普及を図り、および調査研究を行うこと、精神障害者通院医療費公費負担制度および精神障害者保健福祉手帳の申請に対する決定に関する事務のうち専門的な知識および技術を必要とするものを行うことを業務とする。精神保健福祉法にもとづく施設。

精神科デイケア施設

施設長は医師とされ、看護師、作業療法士、精神科ソーシャルワーカー、臨床心理技術者等が配置されている。設置主体および運営主体は地方公共団体である。回復途上にある精神障害者に対して、通所による利用を通じて、適正な医学的管理のもとに生活指導および作業指導等を行い、円滑な社会復帰を図ることを目的とする施設。

生活技能訓練

行動療法的考えが基本にあり、社会生活を対人場面を中心に細かく分析し、それに対応できるように細かで具体的な学習用のプログラムを作成し、それにもとづいて練習・実習するもの。また、社会生活技能訓練、SSTなどとも呼ばれ、認知行動療法の一つでもある。コミュニケーションを要する日常の出来事に対して、ロールプレイを用いて練習する。この方法の特徴として、批難(批判)しない、相手の意見を受け入れる、自分の意見を適切に表現するどの特徴があり、社会復帰を要する施設で取り入れられている。心療内科、精神科などの病院では診療報酬を得ることも可能である。

成年後見制度

判断能力が不充分な精神障害者、知的障害者、認知症などの人のために、財産上の法律行為(財産管理・契約締結・介護保健サービスの手続きなど)を代理人が行なう制度です。家庭裁判所が成年後見人を選任する「法定後見」と、本人が任意で選ぶ「任意後見」があります。

成年後見人

判断が十分にできない人の認知症、知的・精神障害者などの人の、財産上の法律行為を行なう代理人のことです。家庭裁判所で選任されます。法律で定められた者(本人、配偶者、4親等内の親族、市町村長、検察官など)の申し立てにより、適任と認められた人が成年後見人になれます。

前期高齢者

65歳以上、75歳未満の高齢者を指します。 70歳以上になると前期高齢者医療制度が適用され、「高齢受給証」が交付されます。

せん妄

アルコール依存症や認知症によく見られる症状です。脳の機能が一時的に低下し、意識混濁や幻覚、錯覚、不安、興奮などの状態になります。意識障害のひとつです。

せん妄状態

意識障害の一種で意識混濁と幻覚、錯覚、不安、不穏、興奮を示す状態のこと。アルコール依存症、痴呆疾患に伴うことが多い。せん妄状態では、外界の認知が悪くなり、思考や判断が混乱する。目つきは力を失い、表情はしまりがなく、外界への関心も低下する。行動はまとまりを欠き、廊下で放尿をする等の異常な行動がみられることもある。「振戦せん妄 ・・・ 重症型アルコール離脱症、常習大量飲酒の突然中断によって、その数時間後から数日後に、中枢神経が興奮状態になり現れる、いわゆる禁断状態である。急性の意識障害による精神病状態をいう」 「夜間せん妄 ・・・ 痴呆性高齢者に多くみられる症状であり、夜不眠で興奮・多動となる。とくに夜間に増悪しやすいことから夜間せん妄と言われる」

前立線肥大症

前立腺が肥大し、尿道を押しつぶして排尿障害をおこす病気である。男性に特有のもので、残尿感や排尿に時間がかかる、尿が出ないなどの症状がみられる。男子高齢者の80~90%にみられ、頻尿、遷延性排尿・苒延性(ぜんえんせい)排尿などの排尿困難、残尿、尿閉へと進行する。手術療法が有効で、経尿道的にあるいは下腹部切開により行う。

切迫性尿失禁

自分の意思に反して膀胱が勝手に収縮してしまい、十分に尿を溜めることができないままトイレに行くので、回数が増えて漏れやすい。脳血管障害、パーキンソン病、膀胱炎の人に多い。尿を溜められないために起こる蓄尿障害の一種で、トイレに行くまでに我慢ができずに漏れてしまったり、トイレに入って下着をおろそうとしている間に漏れてしまうものをいう。また、切迫性尿失禁の場合は、尿をしたいと思っているのに寸前でできないもどかしさがあり、しかも大量にもらしてしまうことから、周りへの羞恥心、自責の念も非常に強くなる。ひどくなると、うつ病になる例も珍しくない。

摂食障害

手の機能障害や、口腔内の障害、頭部の筋・口唇・舌・嚥下筋の筋力低下や麻痺などがある。また、食に関連した精神障害で、思春期・青年期の女子に多い極端なダイエットを中心とした拒食症と、反対に多食となる過食症(両者の間にしばしば移行する)を摂食障害ということもある。食物を口へ入れ、嚥下するまでの過程における種々の障害をいう。

舌下錠

口腔錠のことで、内服で肝臓を通過することにより、不活化されやすい薬物に応用される。舌下錠は小さくし崩壊が速やかにおき、舌下からの吸収を早くさせる剤型が用いられている。急速に効果を期待するときに使用する薬で、主に狭心症の治療に使われる。使い方としては、口の中の粘膜から速やかに吸収させて効果を現すので、錠剤をそのまま飲み込んだり、かんだりせず、舌の下に入れて、自然に溶かす。口の中が乾いているときは、水を少し含んで、舌を湿らせてから舌の下に入れる。舌下錠や舌下スプレーなどとして商品化されている。

脊柱管狭窄症

馬尾神経症状が主体の腰部脊柱管狭窄症と、頸髄の圧迫による症状が主体の頸部脊柱管狭窄症に大別される。前者は、腰をかけて休むと軽快する間欠跛行(かんけつはこう)、下肢のしびれ、痛み、膀胱や直腸の機能障害が特徴で、後者は、後縦靭帯(こうじゅうじんたい)骨化症などさまざま原因による頸髄症と同様に四肢のしびれや歩行障害、排尿障害などが現れる。椎間板の変性などの退行性変化によって脊柱管が狭められ脊髄や神経根を圧迫し症状が現れる疾患。

脊髄損傷

脊髄は神経系の下位中枢機能と伝導路機能をもつため、損傷部以下の弛弾性麻痺、全知覚脱失、膀胱直腸障害等を来す。合併症の予防ならびに社会復帰と自立を目指したリハビリテーション等の機能訓練が重要である。交通事故などの外傷により脊椎の骨折、脱臼に伴い生じる脊髄の障害で、重篤な機能障害を示す。損傷の度合いにより、完全型と不完全型に分かれる。完全型は脊髄が横断的に離断し、神経伝達機能が完全に絶たれた状態であり、不完全型の場合は脊髄の一部が損傷、圧迫などを受け、一部機能が残存するものを指す。また、完全型の場合、損傷部位以下は上位中枢からの支配を失い、脳からの運動命令は届かず運動機能が失われる。

相談援助

福祉事務所などの公的機関が、日常のあらゆる面で問題や悩みを抱える人の相談に応じることです。介護保険や社会保障のサービスの現場では、専門員が業務に携わっています

ソーシャルワーカー

わが国においては、社会福祉従事者の一般的な名称として用いられるのが普通であるが、国際的には、高度の価値・知識・技術を修得した社会福祉専門職に与えられる名称であり、介護・介助を主として行うケア・ワーカー(介護職員)とは区別されている。1987年の社会福祉士および介護福祉士法の成立により、わが国においても社会福祉士(ソーシャルワーカー)と介護福祉士(ケア・ワーカー)の区別が定着しつつある。

ソーシャルサポートネットワーク

時には福祉事務所や社会福祉施設の専門家が関わることもある。新しい概念であり、明確に概念整理されてはいない。家族、近隣、ボランティア等、非専門的な援助者による援助のネットワークをいう。また、ソーシャルサポートネットワークとは問題の解決が長引いている利用者に対して、日常のネットワークを計画的に再形成した支援体制を提供することで、それは画一的なネットワークではなく、利用者のパーソナリティや生活状況、そして緊急性を伴う用件などに応じた個別のネットワークのことです。

側臥位(そくがい)

横向きに寝た状態です。床ずれ防止には、クッションや枕を背中や足の間に入れると効果的です。

措置入院

精神保険指定医2名以上の診断結果をもとに、精神障害のため自傷・他傷の恐れのある人を強制的に入院させることをいいます。都道府県知事の指示で医療および保護を目的に行われます。

措置費

老人福祉法などの各法律にもとづき、措置権者である都道府県または市町村がとるべき福祉の措置に要する費用。事務費(施設運営のための職員の人件費および施設管理費)と事業費(入所者の生活費)からなり、毎年度、厚生労働事務次官通知により措置費国庫負担金交付基準として示される。措置権者は、国と分担して措置費を支弁する義務を負っている。なお、施設に入所した本人またはその扶養義務者は、その負担能力に応じて一部を負担する。

躁鬱病

今日の国際疾病分類やアメリカ精神医学会診断基準では、躁うつ病ではなく気分障害という名称が使われている。内因性精神障害の一つ。情動の異常を示すもので、躁状態のみ、あるいはうつ状態のみを繰り返すもの(単相性)と、躁とうつとを交互に繰り返すもの(両相性)とがある。