ケアマネージャー用語集【あ行】

IADL

利用者の運動能力で買い物や洗濯、電話、薬の管理等、ADLよりも高い能力が必要とする複雑な動作の事。職業や性別を考慮し、身体活動能力や障害(しょうがい)の程度をはかり評価する尺度の1つとなっており、要介護認定調査の項目にもいくつかはいっています。

アウトリーチ

アウトリーチとは手を伸ばして取る、手を差し伸べる等と意味し、リーチアウトと言う用語がもちいられる事もあります。福祉等の分野における 地域社会への奉仕活動、公共機関の現場出張サービス等の意味で多用される。社会福祉の利用をする人々のすべてが、自ら進んで申請をするわけではなく、むしろ社会福祉の実施機関がその職権により潜在的な利用希望者に医療・福祉関係者が手を差し伸べ、利用を実現させるような積極的な取り組みをいいます。日本語訳として館外出張事業(かんがいしゅっちょうじぎょう)ともいわれます。

アクティビティ

デイサービスや施設介護の中等のサービス中に歌やゲーム、手芸、園芸等、心身の状況を安定させ、元気づけるために行なわれる活動の事です。デイサービス(通所介護サービス)等ではアクティビティ加算もあります。

アセスメント

介護支援専門員等が利用者にサービスを提供する際に、利用者の日常生活全体を把握し、その人のいろいろな問題点を理解する事をいいます。「事前評価」と呼ぶ事もあります。介護支援専門員にとってこのアセスメントに関する能力は重要な能力です。

アテトーゼ 

上肢や下肢を随意的に動かそうとするとき、本来の目的に関係のない異常動作が不本意におこり、さらに顔面筋や頸部(けいぶ)の筋にまで不随意な運動が起こるため、顔が笑っているように見えたりする。緊張を伴う  ときや動作を始めようとすときに強く現れ、発語の時には、咽頭(いんとう)や発語に関係する筋にも異常動作が現れるために、発語がなめらかでなく、聞き取りにくくなる。脳性麻痺者(のうせいまひしゃ)にみられる事が多く、脳出血(のうしゅっけつ)や脳軟化(のうなんか)の後遺症としてみられる事もある。

アニマルセラピー

ヒューマン・アニマル・ボンドの理念に基づき、動物と触れ合ったり世話をする事で、心身の活性化を図る手法です。 動物介在療法。アニマルセラピストは動物を連れて老人ホーム等を訪問しますが、高齢者(こうれいしゃ)等は自ら動物を飼う事でもこの効果を得る事ができる、こころのケア技術の1つです。

アルツハイマー型認知症

認知症の中でも、ケアが難しい疾病の1つにあげられます。記憶喪失や性格の変化、判断力の低下、記憶障害(きおくしょうがい)、見当識障害(けんとうしきしょうがい)等をともないます。原因は、脳の側頭や前頭葉が萎縮して起こります。

アルツハイマー病

大脳が全体的に萎縮して起こる疾病です。ときに認知症のような症状に進んでいきます。高齢者(こうれいしゃ)だけでなく、40代から発症する事もあります。  効果的な治療防止法はまだ確立されていませんが、症状を抑制する治療等少しずつ進歩しています。

アルコール依存症

長期にわたる大量の飲酒が原因により、心身の健康を害し、円滑な社会生活が著しく困難な状況に陥る事です。主な症状としてアルコールに対する強い欲求・精神的アルコール依存、飲酒行動に関する抑制能力の喪失、耐性増加に伴う飲酒量の増加、離脱症状(りだつしょうじょう)・身体的アルコール依存等であり、しばしば飲酒行動上の異常も伴います。アルコール依存症は従来のいわゆるアルコール中毒に相当するもので、長期にわたる大量のアルコール摂取をめぐるさまざまな有害作用を含む概念として推奨されています。その他、アルコール症と言う言い方もあり、これはアルコールによる健康障害(しょうがい)から社会的対応への障害(しょうがい)性をも含む上位概念であるが、名称が漠然としていると言う事からアルコール依存症への統一がなされました。

移乗(いじょう)

利用者がベッドから車椅子、車椅子から椅子、椅子から床等へ移る動作を「移乗する」といいます。移乗には介助が必要な場合もあります。介助する側にとっても大変重要なスキルです。

異食(いしょく)

認知症の症状でもあります。食べ物と、そうでないものの区別がつかなくなり、食べ物でないものを食べてしまう食欲異常の一種です。

一次判定(いちじはんてい)

介護保険の要介護認定で初めに行なう判定の事です。市(区)町村に申請し、市や市から委託を受けた介護支援専門員が訪問調査等を経て判定します。この判定結果をもとに、介護認定審査会で二次判定が行われます。

一部負担金(いちぶふたんきん)

介護保険制度のサービスなどへの支払いのうち、自己負担する料金のことです。介護保険制度では、国が9割負担・利用者負担が1割となっています。

移動介助(いどうかいじょ)

車イスを使用されていて自分では移動できない人や、歩行が難しい方など自力では動けない人が移動したいときに介助者が介助することです。また、体を動かしてはいけない人を移動させなければいけない場合も移動介助といいます。

医療ソーシャルワーカー

英語の略称でMSWともいいます。患者や家族の抱える精神的・社会的な問題の解決から、社会復帰までをサポートする専門職です。社会福祉の専門的な知識や技術をもっています。主に、病院などに勤務しております。

医療費控除

1年間の医療費が10万円以上であった場合、所得金額から控除される制度のことです(上限200万円) 確定申告で申請します。控除対象は、医師や歯科医の診察・治療費、治療や療養に必要な薬代のほか、保険外診療費、医療機関までの交通費、医師の指示によるマッサージ、針きゅう、あんま、寝たきりの人のおむつ代も含まれます。

医療法人

大手病院から、診療所、老人保健施設など、医療法にのっとった医業を行う法人のことをいいます。開設にはみたすべき要件があり、許可を受ければ税金減額などの優遇措置を受けることも可能です。都道府県知事の許可が必要です。

依存的ニーズ

サービス利用者の個別ニーズに対応する自立的ニーズ(在宅福祉サービスで対応するニーズ)に対比して用いられる。在宅福祉サービスによるよりは、むしろ全面的な援助をサービス供給主体に依存する状態をいい、具体的には(生活)施設福祉サービスで対応するようなニーズがこれにあたります。また、ニーズを実現する側からニーディオリエンテッドアプローチ(要援護者対策)とする考えも依存的ニーズを表しています。

胃ろう

手術により、おなかから管を胃に通し、栄養物(流動食)を直接注入する栄養療法のことです。病気や嚥下障害で口から栄養が摂れない人のための治療方法です。  医療行為にあたりますが、最近では特別養護老人ホームなどでも胃ろうの方が多くなり人員配置の面で介護職が行なう必要がどうしてもでてきており、国の明確な判断基準を多くの施設職員が望んでいます。

インフォーマルサポート

公的機関の専門職の公的な援助のフォーマルサポートと違い、要介護者の家族、友人、ボランティアなどが行なう援助のことです。サポート内容が自由に決められるメリットがありますが、責任の所在など注意を要する面もあります。 しかし、国が施設増設を抑制傾向にして在宅での生活に方向性を出しているいま、このインフォーマルサポートの重要性が高まってきています。

1型糖尿病

インスリン分泌が欠乏して発症する糖代謝異常で、インスリン注射や食事療法などによる治療が不可欠です。 このインスリン注射も医療行為にあたります。

インテーク

医療施設や保健所、相談機関、福祉事務所などにサービスを求めて来所したクライアントに対し、必要なものが何であるのか、何が提供できるのかを見極めるために最初に行われる面接のことです。

インテグレーション

障害児教育と通常教育をいかに接近させるかという意味で使われます。立地が同じというだけの場合から、同一のカリキュラムを共有するまでいくつかのレベルがあります。

上乗せサービス

介護保険料をあげて、受給者が望むサービスの充実を図っていくサービスです。介護保険法の基本サービスが対象となり、各自治体の裁量で引き上げを決定できます

ウェルニッケ失語

会話中に言い間違いや、「あれ」「これ」という指示語をよく使ったり内容があわない発言が多くなる症状のことです。感覚性失語ともいい、比較的上手に話すので一見して分からないという特長もあります。

運動機能障害

なんらかの原因により手足や身体の一部が自分の意思で動かせないなど、一定基準以上の運動機能障害が認められることを指します。

ADL

activities of daily living(日常生活動作) 食事、入浴、排泄などの日常生活の基本動作のことです。 具体的には次のような種類があります。 コミュニケーション・身の回りの動作・起居・移動の動作 ケアプラン作成を行なう際のアセスメント時など、このADL情報が必ず必要になってきます。

ST

Speech Therapist 言語聴覚士をいいます。 言葉によるコミュニケーションが難しくなった人に言語訓練を行う専門職です。また、嚥下(えんげ)機能が低下している人に嚥下訓練も行ないます。STになるには、専門の養成施設(厚生労働大臣指定)を卒業し国家試験に合格する必要があります。介護保険法改正で、施設などの人員配置基準でOT・PTなどと一緒に人員配置基準に数えられるようになりました。

嚥下(えんげ)

人が食べ物や飲み物を口に入れ、咀嚼(そしゃく)し、のど、食道から胃に送り込むことです。 高齢になるとこの嚥下機能の低下が起こり、誤嚥や誤嚥性肺炎などを引き起こす可能性があります。

嚥下困難

飲食物がうまく飲み込めない、むせる、飲み込んだものが食道でつかえる といった障害をいう。痴呆性高齢者や寝たきり高齢者、特に脳卒中などにより運動障害や失行のある人に多く、また舌がんや食道潰瘍(しょくどうかいよう)などによってもおこる。嚥下障害時には誤飲による嚥下性肺炎に注意する。口腔から胃までの消化管の異常のみならず、食道周囲の諸臓器の食道圧迫、神経疾患でも生じうるので原因の鑑別が必要。

嚥下食(えんげしょく)

嚥下機能が低下した方を対象に食べ物をやわらかくしたり、ペースト状にして飲み込みやすくしている食品です。嚥下障害がある人でも食べやすいように工夫されています。

エンパワメント

利用者などの主体性、人権等が脅かされている状態において、心理的、社会的の支援する家庭をいう。その目的は、脅かされている状態に対して利用者、集団、コミュニティ等が自律性を取り戻して、その影響力、支配力を発揮できるようにするところにある。1980年代以降、アメリカ、イリスを中心に発展してきた手法であるが、現在では社会福祉援助活動の動向として根付いてきた。社会福祉援助活動(ソーシャルワーク)において、利用者、利用者集団、コミュニティなどが力を自覚して行動できるような援助を行うこと。

NPO

non-profit organization 民間非営利組織、民間公益組織とも呼ばれます。 公共の利益になる活動を行う営利を目的としない法人組織や団体のことです。会費や寄付、ボランティアなどを元手に活動します。

MRI

Magnetic Resonance Imaging 人体に影響の少ない磁場(核磁気共鳴現象)を利用して、身体の中の状態を映像化し、任意の断面を表示する画像診断法のひとつです。

MRSA

methicilin-resistant Staphylococcus aureus  メチシリン耐性黄色ブドウ球菌。 多くの抗菌薬に対して抵抗力を示す、皮膚などに存在する化膿性菌のことです。 日和見感染をする可能性もあり、病院・施設などでは個室に隔離する必要があります。

MSW

Medical Sochial Work 医療用ソーシャルワーカーのことです。患者や家族の抱える精神的・社会的な問題の解決から、社会復帰までをサポートする専門職です。社会福祉に関する専門的な知識や技術をもっています。

OT

occupational therapy 作業療法士とも呼びます。病気や心身の障害をもつ人が、機能の回復を目指し、手芸や工作、ゲームなど、さまざまな作業を行うリハビリテーションを用いた治療法のことです。PTやSTともに協力して利用者の能力向上を目指します。

音楽療法

利用者の健康の維持や生活の質向上を図るために、音楽を聴いたり、歌を歌ったり、楽器を演奏したりして楽しみながら行なう心理療法です。現在は、施設などへのボランティア的な活動が多いのが現状です。

応益負担

福祉サービスの手数料、使用料、授業料などを、利用者が受けるサービスの程度に応じて負担することです。 所得に関係なく使えば使うほど負担する必要があります。介護保険がこれにあたります。

応能負担

福祉サービス利用者が負担できる範囲を決め、サービス料金の一部または全額を負担することをいいます。所得に応じて負担額が決まります。介護保険が始まる前がこの方式でした。

オンブズマン

護民官を意味するスウェーデン語。北欧で発足した制度。一般的には、国民の代弁人としてその利益を擁護(ようご)するものの意味であるが、より具体的には、不正、不当な行政執行に対する監視・観察、または苦情を処理する制度として理解される。または、オンブズマン制度と呼ばれている。