ケアマネージャー用語集【は行】

白内障

白内障には、先天性のものと後天性のものがある。先天性には、母親の妊娠初期の疾患によるもの、原因不明のものがある。後天性には、外傷性白内障、糖尿病性白内障、併発白内障(緑内障等ほかの眼疾患に併発する)等のほか、老化に伴う老人白内障がある。老人白内障は手術の 予後も良いが、糖尿病性白内障や併発白内障等は手術の予後はあまり良くない。発症は45歳以上の中年に多く、年齢を重ねるにつれて割合が増加する。また、80歳以上の高齢者はほとんどが何らかの形で白内障の症状を引き起こしているといわれるが、進行の速さには個人差があり、目が見えづらくなるといった症状に至るとは限らない。眼の水晶体の混濁によって透明性が失われること。

長谷川式知能スケール

記憶や見当識などに関する質問から構成され、痴呆の重症度の段階評価はしないが、30点満点のうち総得点20点以下では痴呆を疑うとされている。 主として高齢者の知能スクリーニングを目的としたスケールで、従来の簡易知的機能評価スケール(長谷川式)を1991年(平成3年)に改定したものである。痴呆の評価法は、テスト法と行動評価法の2つに大別されます。テスト法は実際に痴呆が疑われる相手にテストを行い、その結果から痴呆の有無とその程度を判断するものです。行動評価法は対象者の行動や言動を観察したり、家族や同僚などの観察をもとに痴呆の有無やその程度を評価する方法です。どちらも色々な種類の検査方法がありますが、最もポピュラーなテスト法の一つがこの長谷川式知能スケールです。

配食サービス

1ヵ月に1回の配食による安否確認等を目的としたものから、365日3食提供するタイプまで幅広い形で行われている。介護保険の給付対象サービスには含まれていないが、生活支援サービスとして、食材費等は自己負担するとしても必要に応じてサービス提供できるように、これまで以上に展開される必要のあるサービス。給食サービスの一種で、高齢者等に弁当を宅配するサービスのこと。またこのサービスは、介護保険の範囲ではカバーされていないため、各自治体が独自に行なっているもので市区町村ごとにサービスの形態は異なっており、各自治体への問い合わせが必要となる。

排泄介助

寝たきりの人などの大小便の排泄を介助することです。その人の症状に合わせて、おむつから尿器・差し込み便器、ポータブルトイレへと、レベルを上げていくことが重要です

バイタルサイン

脈拍、呼吸、体温、血圧など、人間が生きていることを示す徴候のことです。広い意味では、排尿や排便、食欲、睡眠、発汗、神経反射、意識レベル、精神状態などを含みます。

廃用症候群

高齢者の病気やけがによる寝たきり状態の放置や社会交流の途絶から連鎖的に生じて、寝たきりの固定化につながることが多いことから寝たきり症候群とも呼ばれる。できる限りの自立、機能活用を図ることが必要である。心身の不使用がまねく機能低下。身体的には筋や骨の萎縮や関節拘縮、起立性低血圧等の循環器機能の低下等(低運動性症候群等ともいう)、精神的には意欲の減衰や記憶力低下等。ケガや病気で入院した場合には、早期にリハビリを開始し、これらの障害を予防することが望ましいとされている。

バリアフリー

バリアフリーとは、通行や出入りをはばむ柵とか防壁障害物のことをいう。すなわち、高齢者や障害者の生活や活動に不便な障害を取り除くことをいう。階段の代わりにスローブをつけたり、段差をなくしたり、車いすで通行可能な道路や廊下の幅の確保、警告床材、点字の案内板の設置等などがその例である。公共の建築物や道路、個人の住宅等において配慮した設計。一般的にバリアフリーは物理的な解決法を指す言葉として用いられることが多いが、社会生活弱者が容易に社会参加できるように促す概念としての位置付けがある。

肺気腫

たん、せき、息切れなどの症状があり、進行すると呼吸困難にも陥ります。喫煙や大気汚染が原因と考えられ、肺の末端にある肺胞が拡張し、破壊されて機能低下して発症します。

ハイムリッヒ法

介護者は誤嚥(ごえん)した人の背部にまわり、後ろから上腹部に手を回し、両手をしっかりと握り、次にその手で強く急激に上腹部を押し上げる。その吹き出す圧を利用して異物を吐き出させる。誤嚥したときに、気管内の異物を除去するために用いる方法の一つである。また、ハイムリッヒ法とは異なる方法で背部叩打法があり、成人や高齢者ではいすの背もたれを利用したり、小さな子どもであれば介護者の大腿や膝を利用して前屈姿勢をとらせ、背中を強く数回叩いて、異物を吐き出させる方法もある。摂食中は家族や介護者による注意深い観察と、きめ細やかな配慮がたいへん重要となる。たとえ誤嚥しても最小量で気づくこと、窒息する前に与えるのをやめることが大切になる。

徘徊

記憶喪失の状態、痴呆疾患等でみられる。あてもなく目的もなくさまよい歩くこと。青少年の逃避の形としても起こるものである。介護で必要なポイントは、①玄関や門に鍵をかけて閉じ込めると、不安が強まり、症状の悪化につながることもあり、一緒に出かけて気持ちを和らげることも1つの方法である。②立ち寄ると思われる所や、近所の人の連絡をもらえるように、協力をお願いしておくこと。 ③徘徊している背景、なぜ歩いているか、どこへ行こうとしているのか、を知ることが大切。④連絡先を衣類に縫いつけて、身元がわかるようにしておくことも必要、などである。

ハンドリム

車いすの速度や方向を操作する輪のことです。大きな車輪の外側に設置されており、使用者が手で回して車いすを操ります。

パーキンソン病

中脳の黒質や大脳基底核等の病変による振戦麻痺で、原因不明の進行性疾患である。手足の震えと動作の緩慢、加速歩行、前傾姿勢、仮面様顔貌を特徴とする。特定疾患治療研究対象疾患の一つである。

半座位

座位の一種で、ギャッジベッドや椅子の背、バックレスト等を利用して、上半身を45°起こした状態をいう。セミファーラー位は上半身を15~30°に起こした状態をいう。ファーラー位は、半坐位ともいい、頭部や体側、腕の下などに枕を入れて安楽を保つ。ふだん抑臥位、側臥位などで寝ている人であっても、食事や面会時などはファーラー位をとることが多い。心臓や肺の障害をもった人の中には、抑臥位では呼吸困難が生じるため、ファーラー位で睡眠をとる人もいる。

廃用性症候群

高齢者の病気やけがによる寝たきり状態の放置や社会交流の途絶から連鎖的に生じて、寝たきりの固定化につながることが多いことから寝たきり症候群とも呼ばれる。できる限りの自立、機能活用を図ることが必要である。心身の不使用がまねく機能低下。身体的には筋や骨の萎縮や関節拘縮、起立性低血圧等の循環器機能の低下等(低運動性症候群等ともいう)、精神的には意欲の減衰や記憶力低下等。ケガや病気で入院した場合には、早期にリハビリを開始し、これらの障害を予防することが望ましいとされている。

パウチ

パウチの型には下部開放型、閉鎖型、上部開放型があり、容量も大中小とある。色は透明、不透明などさまざまで、ストーマなどから不随意に出てくる便や尿を受ける袋のことをいう。また、皮膚への付けかたで直接型、接合型があり、ストーマのサイズが前もってカットしてあるもの(プレカットパウチ)もある。

鼻腔栄養

飲食物を口から食べられない場合に、チューブを鼻から胃まで入れて、栄養を注入することをいいます。

被保険者

保険の加入者。保険料を支払い、対象の事故が発生したときに保険金を受け取る人のことをいいます。介護保険では、65歳以上の第1号被保険者と、40歳以上65歳未満の第2号被保険者があります。

被保険者証

介護保険の被保険者であることを証明する証書のことです。第1号被保険者には全員に配布され、第2号被保険者は要介護・要支援認定を受けた人、および被保険者証を申請した人に交付されます。

被害妄想

うつや認知症、統合失調症に見られることが多い症状で、他人から迫害されていると信じ込んでしまう精神状態のことです。

非言語コミュニケーション

文字や言葉ではなく、表情や視線、身振り、スキンシップなどを用いるコミュニケーション方法です。絵や音楽も、これにあたります。

筆談

聴覚障害者や言語障害者の情報伝達手段のひとつです。絵や文字を使ってコミュニケーションを図ります。最近ではパソコンや携帯電話なども利用されています。

秘密保持

職務上知り得た利用者の個人情報を他人にもらさないことです。

日和見感染

ウイルスなどが周囲の形勢をうかがって日和見しているようにみえることからこの名称が生まれた。エイズ患者にみられるカリニ肺炎は典型例。放射線治療中、副腎皮質ホルモン剤や抗生物質の連続投与の際等にもおこりやすい。普通の健康な人の場合は感染しても病原性を現さず、発病もしない無害なウイルス、細菌、原虫、カビなどが、抵抗力や免疫力が低下している者に感染すると急に活性化して発症する感染症をいう。日和見感染を起こす病原体の中には薬剤耐性を獲得しているものも含まれており、いったん発病した場合にその治療に有効な薬剤が限定されることから、医学上の大きな問題になっている。

頻尿

原因は、膀胱に異常がある、膀胱炎、前立腺炎、膀胱結石、膀胱内の腫瘍、膀胱周囲の臓器(子宮・卵巣)等の疾患や、神経因性膀胱の脳血管障害、脳梗塞・脳出血など、尿道に異常や障害のある、前立腺肥大症のような通過障害や尿道炎など、神経性(心因性頻尿)のストレスや精神的トラウマなど、また、一時的なものは精神的緊張や体を冷やした場合にも起こる。疾患によるものでない場合は、緊張を解きほぐす等で 対処する。夜間頻尿については、水分摂取時間を指導したり、尿器や移動トイレを利用するのも一法である。排尿の回数が多くなる状態で、昼間8回以上、夜間は2~3回以上を頻尿という。

頻脈

心臓は自律神経(交感神経と副交感神経)によって支配されており、何らかの要因で交感神経が優位になると心拍数が増える。心因性、運動性の要因が多いが、薬物性要因に依る場合もある。心因性に依る場合は、比較的短時間の内に解消される。運動性に依る場合には適度な過負荷訓練により反復訓練を行うことに依って、解消される。薬物性因子に依る場合は、当該薬物の使用を即時中止するとともに、緊急に医療機関の受診を行い、薬物の中和をおこなわなければ、人体に深刻な影響を及ぼす場合もある。脈拍数が1分間に100以上になった状態をいい、成人の安静時脈拍数はおよそ1分間50~70回である。

ピック病

ピック病は老年痴呆、アルツハイマー型によく似た珍しい病気で、病気の発生率は約100,000人に1人で、男性よりも女性の方に多く見られる初老期痴呆の一つ。初老期(歴年齢上の定義は45歳~65歳)に発病し、痴呆、道徳感情の喪失、行動の逸脱等の人格変化、異常な言動等を主症状とし、比較的速やかに経過する器質性の脳疾患。脳の萎縮がみられる。侵された部分のニューロン(神経細胞)には、異常な物質(ピック小体)がみられる。老人班や細胞内線維はみられなく正確な原因は不明。ピック病は、優性遺伝疾患であるとみられている。ピック病は認知症を伴わない緩徐進行性失語症や純粋健忘症のかたちで発症することがある。

必須アミノ酸

不可欠アミノ酸とも呼ばれ、人体では、バリン、ロイシン、イソロイシン、リジン、スレオニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンの8種類のアミノ酸をいい、最近ではこれにヒスチジンを加えて9種類とすることが多い。ヒスチジンは、体内で作られるが、急速な発育をする幼児の食事に欠かせないことから、1985年からこれも必要なアミノ酸として加わるようになった。これら9種類のアミノ酸の含まれ方のバランスの善し悪しでその食品のたんぱく質の栄養価が評価される。生体が必要とするアミノ酸のうち、生体内で合成することができないか、あるいは合成できても必要量に充たないため食物から摂取しなければならないアミノ酸をいう。

フォーマルサービス

国や自治体などの公的機関が定めた制度によって進められる社会福祉サービスのことです。認可や指定を受けた医療法人や民間法人が行なうサービスを含めていうこともあります

福祉車両

身体障害者の車の乗り降りや、車いすから車いすへの乗り移りなどがスムーズにできるように配慮された車両のことです。車両の購入にあたっては、各自治体から助成が受けられる場合があります。

福祉資金

障害者世帯、高齢者世帯または低所得世帯に対して、機能回復訓練器具および日常生活の便宜を図るための用具の購入等に必要な経費。障害者または高齢者が日常生活の便宜を図るための高額な福祉用具等の購入等に必要な経費。結婚、出産および葬祭に際し必要な経費。住居の移転等に際し必要な経費および給排水設備、電気設備若しくは暖房設備を設けるのに必要な経費。身体障害者が自ら運転する自動車または障害者と生計を同一にする者が専ら障害者の日常生活の便宜または社会参加の促進を図るために自動車を購入するのに必要な経費等として貸付けられる資金のことで、生活福祉資金貸付制度にもとづく貸付資金の一種

福祉事務所

福祉事務所は、生活保護法、児童福祉法などいわゆる福祉各法に定める援護、育成または更生の措置に関する業務を行う、第一線の総合的な社会福祉行政機関である。都道府県福祉事務所は生活保護法、児童福祉法、母子及び寡婦福祉法、知的障害者福祉法に定める都道府県または都道府県知事の行う事務を行い、市町村福祉事務所は、上記4法に加えて老人福祉法および身体障害者福祉法の福祉6法すべての事務を行う。福祉事務所には所長と少なくとも、指導監督を行う所員(査察指導員、スーパーバイザー)、現業を行う所員(現業員)、事務を行う所員を置かなければならない旨が規定されており、このうち査察指導員および現業員については社会福祉主事でなければならないとされている。

福祉手当

福祉手当の受給者は、20歳以上の従来の福祉手当の受給資格者であって、特別障害者手当ておよび国民年金法による障害基礎年金のいずれも受けることができない者に対して経過措置として従前の例により福祉手当が支給されている。障害児福祉手当と同様の支給制限がある。特別児童扶養手当等の支給に関する法律にもとづき、在宅の重度障害者に対する福祉の措置の一環として、精神または身体に重度の障害があるため日常生活において常時の介護を必要とする者に対して支給されていたが、昭和61年の改正により障害児福祉手当および特別障害者手当に改編された。

福祉年金

現在では、昭和61年4月前に老齢福祉年金の受給権を有していた者に対してのみ老齢福祉年金が支給されており、障害福祉年金の受給権を有した者、母子福祉年金および準母子福祉年金の受給権を有していた者については、それぞれ障害基礎年金、遺族基礎年金が支給されている。拠出制の年金の受給要件を満たせない者や拠出制の国民年金が発足した昭和36年4月当時すでに老齢、障害、母子または準母子の状態にあった者を対象として支給されるもので、老齢福祉年金、障害福祉年金、母子福祉年金および準母子福祉年金の4種類あった。その後、昭和61年4月の年金精度の改革により、これらの年金は廃止された。国民年金法による年金の一種。

福祉用具購入費の支給

対象となる特定福祉用具は、腰掛便座、特殊尿器、入浴補助具(入浴用いす、浴槽用手すり、浴槽内いす、入浴台、浴室内すのこ、浴槽内すのこ)、簡易浴槽、移動用リフトのつり具の部分となる。介護保険の給付対象サービスの一つであり、他人が使用したものの再利用に心理的抵抗感があるものや使用により元の形態に戻らなくなり再利用できなくなるなど、福祉用具貸与の対象とならないものが購入費支給の対象とされた。在宅の要介護者・要支援者が、介護保険法の指定を受けた特定福祉用具販売事業者から特定福祉用具を購入したときは、各自治体が日常生活の自立を助けるために必要と認める場合に限り、居宅介護(支援)福祉用具購入費が支給される。

福祉用具専門相談員

福祉用具貸与事業者は事業所ごとに2人以上福祉用具専門相談員を置くこととされている。専門相談員は介護福祉士・義肢装具士・保健師・看護師・准看護師・理学療法士・作業療法士・社会福祉士または厚生労働大臣が指定した講習(講義と実習を全40時間受講することが必要、試験は行われない)の修了者・都道府県知事がこれと同等以上の講習を受けたと認める者でなければならない。介護保険法にもとづく福祉用具貸与事業において、福祉用具の専門的知識を有し利用者にあった用具の選定に関する相談を担当する者。具体的には、介護を受ける側と、介護する側の双方の心理を理解し、病状や障害の度合い適切に見極めて、福祉用具の選定や使い方をアドバイスできる専門家である。

福祉住環境コーディネーター

建築、医療、福祉などの知識を持った専門家。高齢者や障害者が暮らしやすいように、住まいをコーディネートする人です。

不服申し立て

行政機関の決定や処分に承諾できない場合、異議を申し出ることです。介護保険では、保険料徴収金や、要介護認定などに不服がある場合、都道府県の介護保険審査会に申し出ることになります。

不安神経症

不安神経症には、突然、動悸などの自律神経症状と強い不安感に襲われる。自律神経症状には、ふるえ、めまい、動悸、手足のしびれ、吐き気、心悸亢進、過呼吸、呼吸困難、発汗などの不安発作(パニック発作)がある。不安感には、漠然とした不安と、死ぬのではないか、気が狂うのではないかなどの恐怖感、また、再び不安発作が起こるのではないかという予期不安を示し、持続性の不安がみられる。そのため外出や乗り物に不安を抱く。これらの症状に非常に困惑し、救急受診をすることも多い。しかし、これらの症状は、特別な処置がなくとも、多くは1時間以内に、長くとも数時間のうちに回復する。神経症の一つである。

不整脈

正常人の心臓拍動はほぼ規則正しい調律(リズム)を示し、その心拍数は成人で安静時に1分間60~70である。この心拍数が、なんらかの原因によって異常に早く、あるいは遅く、あるいはリズムが不規則になることを不整脈という。したがって不整脈には心拍リズムの不規則なものと規則的なものがある。洞性不整脈、期外収縮(瞬間的に脈が飛ぶ、脈が抜ける、瞬間的にドキッとするなどの症状を呈するもの)、房室ブロック、心房細動等さまざまな種類がある。不整脈の発生機序として刺激生成異常と刺激伝導異常がある。高齢者に多いが、各世代に不整脈をもっている人は普通にいる。原因として、虚血性心疾患、先天性心疾患などがある。

福利厚生センター

福利厚生に関する啓発活動、調査研究、福利厚生契約にもとづく福利厚生事業の実施、社会福祉事業に関する連絡および助成等を行う。厚生労働大臣により全国を通じて1個に限り指定される。社会福祉事業従事者の福利厚生の増進を図ることを目的として設立された社会福祉法人であって、社会福祉法にもとづき指定されたものをいう。法人単独では実現出来なかった多様で豊富な福利厚生事業を全国規模で共同化し、スケールメリットを活かした多種多様なサービスを提供している。また、地域に密着したきめ細やかなサービスを行うため、各都道府県に業務受託団体を設置し、地域開発メニュー事業と会員交流事業を展開している。

プライマリヘルスケア

プライマリ・ヘルス・ケアは、住民が主体となった活動であり、その地域の文化や資源にあった方法で行い、住民が平等にサービスが受けられること、また専門家は地域住民への健康教育を含めたサービスをチームで行うとしている。世界保健機関(WHO)が「すべての人に健康を」というスローガンの戦略として、プライマリ・ヘルス・ケアを提唱したのが1978年、旧ソ連カザフスタン共和国の首都アルマ・アタで開かれた国際会議で発表された(アルマ・アタ宣言)。その宣言の内容は、2000年までに全ての人に健康を提供できることを世界的な目標とするという内容であった。

ブリーフセラピー

問題志向アプローチ、解決志向アプローチ等がある。多くの場合、治療期間・回数をあらかじめ契約して治療を開始するので、被治療者の内面にも契約期間内に良くなろうというエネルギーが湧いてくることが多い。したがって、だらだらと治療に通ってくる(依存してくる)ことを防ぐことができる。できるだけ短期間に問題を解決しようとする手法である。短期療法。ブリーフセラピーのポイントとしては,精神分析のように過去の問題の根を発見する事を即治療とは考えない。そして、なぜ問題が起きたかよりもこの問題の解決に,今何が使えるかを重要視します。つまり,解決志向のアプローチであると言えます。

プレイセラピー

アンナ・フロイトやクラインらの精神分析的遊戯療法、クライエント中心療法の理論を活かしたアックスラインやムスタカスらの児童中心療法等があるが、現在では行う内容にそれほどの違いはみられない。心理療法の一つで、クライエントに自発性を重視した遊びを誘導し、遊びの中で感情や欲求を自由に表現し欲求不満や葛藤を発散・解消することを図る。子どもを対象とした心理療法の一つであり、小さい子どもは言葉で自分の気持ちを表現しにくいため,遊びを通じて自分の気持ちを表現します。その表現すること自体が子どもの心を開放していくことになります。

福祉用具

一般的に福祉用具には自助具(自らの機能を補う)の側面と、介助具(介助する側の機能を補う)の側面とがある。平成5年の福祉用具の研究開発および普及の促進に関する法律の制定以来、福祉用具という言い方が多くなり、介護保険法では福祉用具貸与が介護保険給付事業となっている。身体障害者手帳や医療法、年金法にもとづく、機能回復等のための補助具、補装具とは分けて使用される。日常生活用具等給付事業(老人福祉法、身体障害者福祉法等)で給付・貸与される。一般的には介護用品、介護用具といわれてきたものとほぼ同義である。住宅改修と併せて検討することも大切である。

服薬管理

薬の量や飲む時間、回数、飲み忘れ、誤用など、薬が適正に服用されるように指導・管理することです。

訪問介護計画

介護支援専門員(ケアマネジャー)が、利用者と家族に面接し、訪問介護の具体的な計画をたてることです。または訪問介護を実施するための計画書のことをいいます。

訪問介護サービス

利用者の自宅をホームヘルパーが訪問して、介護や家事など身の回りの世話をすることです。介護保険制度の居宅サービスのひとつになっています。

訪問看護計画

利用者の希望や主治医の指示を訪問看護師がよく聞き、訪問看護の計画を立案することをいいます。または、その計画書を指します。その計画について、利用者と医師の承諾を受けてから、サービスが開始されます

訪問看護サービス

利用者の家庭を看護師が訪問し、看護サービスを行ないます。具体的には、血圧や体温測定などの状態観察、医師の指示にもとづく療養上の指導などです。介護保険の居宅サービスはもとより、医療保険にもあるサービスです。

訪問看護ステーション

訪問看護を提供する事業所。看護師や保健師が医師と連携して在宅の患者の健康チェックや療養指導を行ないます。

訪問調査員

要介護・要支援認定の一次判定の際、被保険者の自宅を訪問して、心身の状態や生活環境などを調査する人のことです。認定調査員ともいいます。

訪問入浴サービス

利用者の自宅へ移動入浴車で訪問し、入浴を介助するサービス。介護保険の居宅サービスのひとつです。

訪問薬剤管理指導

利用者の自宅を薬剤師が訪問し、薬剤の服用指導を行なったり、適切に保管しているかを確認することです。薬剤師が主治医の指示にもとづいて指導します。

訪問リハビリテーション

利用者の自宅を理学療法士や作業療法士が訪問し、機能回復訓練を行なうことです。このサービスは、介護保険はもとより、医療保険の分野でも訪問リハビリテーションはあります。

保険者

給付を受ける被保険者から保険料を徴集し、それを原資に保険事業全体を運営する側のことです。介護保険においては市区町村が保険者になります。

法定後見制度

成年後見制度の一種です。精神障害や認知症などで物事の判断ができない人のために、代理人を選任して法的な権限を与える制度です。

ホスピス

終末期のがん患者に対し心身のサポートを行うプログラム、または施設のことです。医師、看護師、カウンセラーなどがチームを組んで、ケアにあたります。

乏尿

腎臓の尿生成機能の障害によって1日の尿量が300~500ml以下に減少した場合を乏尿という。通常、健常者の尿量は500 ~ 2,000mlである。この場合腎の濃縮力を最大にしても1日に必要な溶質の排泄が不可能となる。当然ながら老人のごとく濃縮力低下があるときにはこの尿量では不十分で、さらに多くの尿量を要する。さらに尿量が減少して、ついに腎臓からの尿分泌が完全に止まった状態を無尿といい、普通1日50~100ml以下の場合であるが乏尿の際とは異なり背景の病態像はより重篤となる。実際には急性腎不全の無尿期であることが多い。乏尿になる原因としては、腎炎など腎機能が低下することにより、尿の生成が減少するために尿量が減少、下痢、浮腫(むくみ)、発汗、腹(胸)水など血液中の水分量が減少、心不全などの心臓の機能が低下すると、腎臓への血流が低下し、腎臓での尿の生成が減少する。などがある。

ポータブルトイレ

トイレまで歩けない、用便が近くて間に合わない、トイレが狭くて介助が難しい、等のときに利用する。形状、便座の暖房、消毒等さまざまに工夫されたものが市販されている。利用時のみ室内に持ち込むのが普通。通常はいす(スツール)に使え、外観上トイレには見えない家具調のものもある。室内用の持ち運べる腰掛け便器。ポータブルトイレの選び方として、座位の安定性が良く、移乗動作もあまり問題のないときには、一体成形型でも良い。立ち座りが可能かどうか確認することが必要。立ち上がりが不安定な場合には、重量もあり、手すり等がしっかりした木製やベッドサイド型を選択する。移乗の際は、立位よりも横移乗のほうが良い。安定して行える場合には、アームレストが移動できるコモード、木製、ベッドサイド型を選択する。アームレストを倒し、立位移乗、座位移乗を行う際には、コモード型は不安定である。便座は機種によって形状が異なる。排泄姿勢が取れるかどうかの確認が必要等である。

保健師

保健師となるには、国家試験に合格し免許を受けなければならない。公的機関である保健所や市町村に勤務し、個人や集団に対して、健康保険増進の指導、疾病予防の指導、健康相談、健康教育など広く地域住民の公衆衛生に必要な保健指導を行う。その働く場所により地域の保健師、産業保健師、学校保健師などに大別される。厚生労働大臣の免許を受けて、保健師の名称を用いて、保健指導に従事することを業とする者。保健師は名称独占の資格であるため、資格を持たないものが保健師であることを名乗ったり、紛らわしい名称を用いることはできない。しかし、業務独占資格ではないため、栄養士などが適切な保健指導を行った場合は法的な問題はない。

保健師国家試験

保健師資格を取得するためには、看護師国家試験に合格し、所定の保健師養成課程(6ヶ月以上)を終了し保健師国家試験に合格する必要がある。保健師の養成は、看護師の基礎教育修了者が入学し保健師の専門教育を受ける保健師学校と、保健師・看護師統合カリキュラムを採用して4年間で看護師と保健師の受験資格を同時に得るタイプがあり、後者の多くは看護大学であるが、一部には統合カリキュラムを採用する看護施門学校もある。保健師になるために合格しなければならない試験で、必要な知識、技能を問われる筆記試験で、毎年1回行われる。受験資格は、 ①文部科学省令・厚生労働省令で定める基準に適合するものとして、文部科学大臣の指定した学校において6月以上保健師になるのに必要な学科を修めた者②文部科学省令・厚生労働省令で定める基準に適合するものとして、厚生労働大臣の指定した保健師養成所を卒業した者③外国の保健師学校を卒業し、又は外国において保健師免許を得た者であって、厚生労働大臣が①又は②に掲げる者と同等以上の知識及び技能を有すると認めた者、とされている。

ボランティアセンター

ボランティア活動を支援するために社会福祉協議会に設置されている機関。制度や行政だけでは充足することができないきめ細かな福祉サービスの実現を図り、人間相互の関係に支えられた生活、住みやすい地域社会づくりをめざすボランティア活動の振興を図る機関。全国ボランティア振興センターをはじめ、各都道府県レベル、市町村レベルの社会福祉協議会、ボランティア団体等に設置されている。ボランティアセンターは、ボランティア活動の発掘と援助のための調査、研究、広報、連絡調整、福祉教育等の活動などを行っている。主な仕事は、都道府県・指定都市、市区町村社会福祉協議会ボランティア・市民活動センターへの支援。ボランティアコーディネーター、アドバイザー等の研修、普及。福祉教育推進のための調査研究・研修。関係省庁・関係機関との連携によるさまざまな事業等である。

ボディメカニクス

動作には、効率的で安全、安楽な方法があり、それぞれの障害に応じた介助の動作にも同様のことがいえる。ボディメカニクスとは、人体に外部から重力や抵抗が与えられたとき、筋肉や骨、関節にどのような力が生じるかを分析する科学分野の一つである。ボディメカニクスを学ぶことによって、利用者に対してより安全で安楽な介助を提供できるとともに、介助者自身にかかる身体的負担(腰痛など)を軽減することができ、障害も防ぐことができるのである。基本的な生体力学において、介助時の条件としては、足を閉じたままではなく、左右の足を前後に出して、肩幅に開くと面積が広くなる、両足で囲まれたこの面積を基底面積と言いい、この面積が狭すぎると、腰や身体に大きな負担が掛るなどである。